馬込文士村解説板 今井達夫

谷中の慶応ボーイ 今井達夫(1804~1978) 小説家

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横浜生まれ。大学在学中に同人誌【橡】に参加。博文館、時事新報社を経て文筆生活に入る。【三田文学】などにモダンな小説を発表し【青い鳥を探す方法】で第2回三田文学賞を受賞。

『まずは一杯』は、人物判断テスト 純文学をやりたいと思っていた山本周五郎は、雑誌『少女世界』の編集者を紹介してもらうことになりました。そこでさっそく相手を呼び出し、「そこで待っているから」と待ち合わせの場所を告げました。
一方、編集者の今井達夫は「あってやってくれないか」と頼まれた相手から呼び出しを喰らって、なんだか変な話だと思っていました。ともかく二人は銀座で落ち合い、一杯飲むわけですが、この『一杯』というのが山本流人物判断テストだったのです。
このテストで「気が合った」ことになった今井は、その後最も親しい友人として山本と長くつきあいます。 いかにも洗練された都会風-で、-慶応ボーイらしいダンディーさ-を持ち、-近代的文才の内蔵を思わせる-今井は、周五郎に相手にとって不足はない友人と思わせたのでしょう。

参考文献 木村久邇典【山本周五郎-馬込時代】

 

 

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